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2001年宇宙の旅 デザイン考察

2001年宇宙の旅(以下2001年)は、例外的に評価の高い映画です。当時は難解なストーリーに評論が飛び交いましたが、色々な情報が入る現在、そして2001年の影響を受けた多くの作品で目が肥えたことにより、今あらためて鑑賞するとさほど難解ではありません。
 デザイナーである筆者の立場でこの映画を語るなら、何を置いても「美術がすごい」の一言につきます。40年以上経ってもいまだ色褪せないそのデザインの数々には目を見張るものがあります。こんな映画は未だにあらわれません。

 最初に宇宙ステーションの内部にガツンとやられます。リング状の居住区なのでその廊下は緩やかに曲面を描き、真っ白で統一された空間は日常からかけ離れた宇宙、そしてテクノロジーの進んだ未来というイメージを一瞬で鑑賞者に理解させます。その中で唯一色をまとった家具「真っ赤な椅子」が究極的なバランスでインテリアデザインの素晴らしさを圧倒します。ちなみにこの椅子、「ジンチェア」といい、フランスのデザイナー、オリビエ・ムルグの作品です。
 当然ながら宇宙船のデザインも素晴らしく、今は亡きパンアメリカン航空という位置づけのシャトルは美しすぎるデザインです。そして機能的なアリエス号。それら模型の精度は現在でもまったく抜かれてはいません。むしろ科学的考証の上にデザインされたそれらは、現存するどのSF映画メカよりも説得力があります。それはSFデザイナーがデザインする今時のメカと違い、本物のデザイナーや学者をふんだんに起用したからに違い有りません。
 そして優雅に飛ぶそれら宇宙船の映像はモーションコントロールカメラがまだ開発されていなかた時代の撮影とは思えないほどの完成度です。(実際10メートルを超えるネジを作り1回転ごと回して1コマごとに移動させて撮影するという、想像を絶する労力をかけて撮影された、超ローテク人力モーションコントロールで)今ではとても贅沢で撮影不可能な、超長時間露光(たった1秒間の撮影にも数時間かかる!)による撮影の賜物でしょう。もうクレイアニメなんか比じゃないです。2001年が40年たった今も他の映画に抜かれる事のない超絶映像なのは、この長時間露光撮影によるもの。あまりにも壮絶な技法のため、どんな特撮マンも嫌がり、2001年が最初で最後の技法だろう。今ではCGによって何でもできそうな感じがあるが、実際はそうでもない。マッピングによるディティール描写の方法論では模型撮影を超える事はけしてありえません。どれだけ精密なCG映像でも、嘘っぽく、物理的現物である模型にかなわいのです。(あくまでも今のところ)

 デザインに話を戻すと、宇宙飛行士達が使用している腕時計は、現在も数々の映画に提供しつづけているスイスのハミルトン社によるデザインです。(残念ながらスウォッチグループが買収しましたがブランドは今も現存)モデルX-01として2006年に 2001本限定として発売されましたが、今見てもかっこいいです。
 そして16メートルもの巨大模型で撮影されたディスカバリー号。スターウォーズにも多大な影響をあたえているいわゆるごちゃメカ。しかしデザインはいたってシンプル。脊椎動物的なモチーフもテーマとあっていていい。(ちなみにほとんどの人が「精子」デザイン説をとなえるが、これはたんなる後付け解釈であり、そうすることでストーリーが理解しやすいが為。筆者は「精子」説を否定するものです)

 ちなみにボーマン達が食事で使用するフォーク&スプーンは、AJカトラリーといい、デンマークの巨匠デザイナー、アルネ ヤコブセン氏によるものです。

おっと長くなりそうなので今回はこのへんで、次回はいつかまた。(マキノ)

Flashによる解説がすばらしいサイト。↓

http://www.kubrick2001.com/







 

 

 

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テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画

扱いに困る2001年宇宙の旅

まず、SF映画ファンの中には俗に「2001年宇宙の旅派(以下「2001年」と「2001年派」)」と「スターウォーズ派(以下「SW」と「SW派」)」があるらしい。私は別にどっちの派閥にも属するつもりは無いのだが、どちらかと言えばやっぱり「SW派」である(笑)その最大の理由は「2001年」は「特撮は凄いのだが、話がわかりにくい映画」だからである。キューブリックは生前、この「わかりにくい映画だ」と言うマスコミの質問に対してこう言った。「いい音楽や小説は何度も聞いたり読んだりするだろう。(2001年は)いい映画なのに、なぜ何度も見ない?」と。しかし、これは逆に「何度も見んと、あかんいうことはやっぱりわかりにくいんや。」と、一般ピ-プルに印象づける結果となった。事実、公開当時の「日本SF作家クラブ」は「2001年」よりも「猿の惑星」の方を推薦している(「2001年」は当時の文部省推薦やけど(笑)) 。これは、本当は、「日本SF作家クラブ」とすれば、どちらかと言えば「2001年」を支持したいのだが、その驚異的な特撮技術は別にして難解で哲学的なストーリーは自分たちでさえ、よくわからないのに一般人なら、尚、理解できないと思ったからだ。故・野田昌宏宇宙大元帥が言うように 「SF」は「絵」だねえ!だが「映画」である以上、最低限の起承転結(フランス映画には起承転転や承転転結とかあるけどね)がある「物語」は必要、だと思うのだ。そして何度も繰り返しになるが、確かに、「2001年」はとても68年に製作されたとは思えない、寒気がするぐらい恐ろしいほどの高いレベルの「特撮技術」が施されている映画である。「SW」のように星なんか見えない(笑)漆黒の宇宙空間を飛んでいる「宇宙船」の窓に写っている、会話をしている乗組員の合成など当時はおろか、現在でも、と言っていいぐらい、CGならともかく、ミニチュアでの合成という意味から考えると、信じられないショットだ。だが、意地悪く言うとそんなシーンも含めて、幾ら、リアルで驚嘆する、未来で実現するであろうと思われる、宇宙の想像(イマジネーション)の世界のシーンがあっても、「2001年」で描いている世界ぐらいで、そこに本来の「SF映画」が持つ創造的な想像の世界があると言えるだろうか?(ボウマンが巨大なモノリスの中に入って行って光のシャワーを浴び続けていくシーンは感動したけど(笑))凄く極端に言えば、そこに宇宙船が飛んでいたり、乗組員が作業をしているだけ、ではないだろうか? (でもねえ。SF映画ファンにしたら、『宇宙船』が飛んでるだけも、『ロボット』がそこにおるだけでも、『金星ガニ』が襲って来るだけでも、充分、嬉しいから、ストーリーがややこしかっても、特撮がよかったら、別にいいんやけど。ねえ!ダース・マキノ氏!?)
実は「2001年」と全く構造が同じであるSFホラー映画があるのを、ご存じだろうか?そう、ジョン・カーペンターの私も大好きな、「遊星からの物体X」だ。この映画は、特殊メイク&エフェクトの大天才、ロブ・ボーディンが、デザインし造り上げた、ドロドログチャグチャベトベトのモンスターエフェクトが「やりすぎ、見せすぎ」であったため、映画の核たるストーリーである「誰が怪物なのか?」というサスペンスより、私を含めたSF、特撮ファンは狂喜して、「不定形で他者を吸収し同化していく宇宙怪物(BEMよ!)」の変形及び同化していくそのもののシーンの方を、この映画の全てと思って見ていたのだ。だから、ご年配のSFファンは「遊星からの物体X」を見て「劇場に手品を見に来たみたいだ」と言ってガックリしていたのだが、その「手品」と言う表現は私にも理解ができる。実際、DVDを見る時は怪物の登場シーンだけを再生して見ている(笑)ので、結局、私もストーリーよりも特撮重視(って、言うたらやっぱり怒られるかな!?)の「2001年派」の事を偉そうに言えた立場では無いのだが(笑)そしてそして、だからこそ、「ストーリーのための特撮」で「特撮のためのストーリー」になっている、確かにストーリーは幼稚だが、そういう意味では誰も文句が言えない、「SW」の方が「2001年」よりも優れているとは言わないが、「筋」が通っていると思うのだよ。アムロ君!
(バルカン星のダース・ベイダー)







 

 
 

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SFをこよなく愛するペーパークラフトクリエイター
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