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便乗組「惑星大戦争」と「宇宙からのメッセージ」

ついにバルカン星のダースベーダー氏が「惑星大戦争」と「宇宙からのメッセージ」をとりあげてしまった。これは日本SF映画のパンドラの箱である(笑)やはり避けては通れない。語らなければならないであろう。日本SF映画が如何にダメなのかを露呈した、東宝、東映2大迷作である。何を隠そうこの2本とも私は劇場で鑑賞したのです。
まず「惑星大戦争」。製作期間がたった2ヶ月。低予算。だからスターウォーズに便乗しても大作は作れない。それはわかる。しかし、だ。この映画の出来は詐欺レベルだ。やはり当時はまだSF映画など子供だましと考えられていて、粗悪な作りでも充分誤摩化せると思ったからであろうことは想像に難くない。もう見ての通りの作品です。つっこんで楽しむにも難しい作品です。
ミスキャストの森田健作、ヒロインが浅野ゆう子。もうこれだけで迷宮に足をつっこんでいます。中でも強烈な演出は、敵に捕まった浅野ゆう子が、意味も無く安物のボンテージ衣装に変えられ(ちなみにジャバに捕まったレイアが露出度の高い服に着替えさせられたのは意味が通る)チューバッカの替わりなのか、着ぐるみまるだしの猿人に捕まっているシーンは、子供の目でみても、ひどく陳腐な演出だった。子供映画だからドラマなどいらないと思ったのか人間ドラマなど皆無の出来だ。さらに最大の失態は名作メカ轟天号を宇宙戦艦としてリメイクし見るも無惨にしてしまったことだ。対する敵宇宙艦は何本ものオールの伸びた古代ローマ船そのままのデザインだ。ふざけるにもほどがある。予算と時間がないので仕方がないのだが映画でバンクフィルムを使うなんて、子供すら騙せない映画です。スターウォーズの便乗をいやがって原作の依頼を断った小松左京は偉い。
次に東映の「宇宙からのメッセージ」。
「惑星大戦争」より遅れて制作されたこともあり、原案に石ノ森章太郎、野田昌弘などを迎え、原寸大のリアベ号など、制作費15億円(当時の物価で考えると日本映画としては破格の制作費)をつぎ込んだ超大作。宇宙SFなど撮ったことのない東映が得意とする時代劇、ヤクザ映画をの手法をとったことはしかたのないことか。監督は深作欣二。南総里見八犬伝をモチーフ。しかいだ、宇宙を股にかけるチャンバラ映画など誰が観たいものか。スターウォーズのライトセーバーとは意味が全然違います。スターウォーズは東洋の精神をしっかりと取り入れたのをどう勘違いしたのか、チャンバラは日本が本家だとでも思ったのだろう。で、科学考証がむちゃくちゃなのはよしとしておこう。
さて、この映画で象徴的なメカはなんといってもエメラリーダ号だろう。たしかに宇宙に浮かぶ帆船は美しいと言えるが、ヤマト、999、轟天、、、日本人は何でも宇宙に飛ばすのが好きだ。そして敵のガバナス巨大戦艦。スターウォーズよろしく下面をなめるように撮影されているが、スターデストロイヤーのような効果的なくさび形形状ではなく、ただの箱なので、全然巨大感が出ていない。ただしミニチュアを使った爆発映像は迫力があった。東宝、東映ともそうなのだが、ミニチュアにおける爆破シーンにおいては、なぜか日本映画は洋画のそれを凌駕するといっても過言ではない迫力ある撮影をしている。逆にスターウォーズの爆破シーンのちゃちさに驚いたものだ。特に超巨大なはずのデススターの爆破の迫力の無さといったらスターウォーズ唯一のウィークポイントだろう。で、私はガバナス巨大戦艦の実物を見た事があるのだが、模型はかなり精密でそれなりに迫力があった。主人公機のリアベ号、シロー号、アロン号の格好悪いデザインは失礼だが語る価値すらない。
高額な金額をはたいてレンタルしたシュノーケルカメラを使っての撮影も功を得ていない。そもそもあの程度の機材ならば日本の技術で充分製造可能だと思う。制作期間が維持かかったのが原因だろう。
音楽に詳しい人ならば「?」と思うだろう、戦闘シーンにながれる「リアベの勇士」(作曲:森岡賢一郎)は一聴すると、壮大でかっこ良い曲なのだが、実はクラシックの名曲、ショスタコーヴィッチ作曲の交響曲第5番の第4楽章にそっくりなのだ。はっきり言ってパクリである。ヒントを得るくらいなら良いが、ここまで似せるのならむしろクラシック原曲を使用すればいいのに。しかし、「エメラリーダのテーマ」はかなりの名曲である。日本映画史上に残る名曲と言っても過言ではないだろう。
さてこの映画、何がいけなかったのかといえば、実はそこそこ面白かったのだ。さすが深作欣二監督である。しかしそれがSF映画を甘く見る原因となったと想像する。しっかりとした準備もないのに、それなりのスタッフ、役者をそろえて、そこそこお金をかければ、「出来る!」と思ってしまったのだろう。
ちなみにTVシリーズとして製作された「宇宙からのメッセージ・銀河大戦」はあまりのひどさに子供ながら愕然とした記憶がある。それもただの忍者物になっているのだ。特撮シーンは映画を流用しているので凄いのだが毎回同じシーンなのでしらける。

日本SF映画会に立ち直れないほどのダメージを与えたこの2作品のおかげで、日本SF映画は混迷を極めるが、実はまだ序の口だった。のちに鳴り物入りで登場する「さよならジュピター」で、さらに低迷を極めてしまうことになる。
ハリウッドは次々と高額のSF映画を送り出し、大金を掛ければ良いSFが作れるという勘違いが日本人の心に浸透していくのである。
最後に名作ターミネーターは「宇宙からのメッセージ」より少ない予算で製作されていることを記しておこう。

※辛口だが私は日本特撮が大好きである。現状でもそれなりに楽しめる。しかしそれはツッコミという楽しみ方だ。日本特撮の進歩を願うべく辛口の評を記した。
映画製作に関わったすべての人に経緯を評します。

マキノ







 
   
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SFをこよなく愛するペーパークラフトクリエイター
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